質問主意書

第7回国会(常会)

質問主意書


質問第八号

開拓行政に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十四年十二月十六日

北條 秀一      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   開拓行政に関する質問主意書

 現行開拓行政中左記の諸点につき質問を提起するから、これに対し具体的な回答をして頂き度い。

一、緊急開拓実施以来純粋入殖一六八、〇〇〇戸に達するにもかかわらず、現在戸数一二一、〇〇〇戸即ち四七、〇〇〇戸が脱落しているが、その原因はな辺にあるか。

二、政府はさきに適正規模標準面積一年一作地帯五町歩、二年三作地帯二町五段、一年二作地帯二町歩と発表したが、現実には昭和二十年度、二十一年度入植者中には三反乃至五反の面積を割当てられたものが少くない。これらを安定農家たらしむるためには如何なる措置をとる考えであるか。

三、入植以来数ケ年を経過し、既に政府より家屋の建築補助金も受け、又営農資金の貸付も受けておるにもかかわらず、今なお土地問題が解決しないため開墾進捗せず、ために生産もあがらぬ開拓者が少くない。これらに対して政府は如何なる措置をとりつつあり、又今後土地問題解決について如何なる見透しを持つているか。

四、入植者十六万戸に対し現在迄の住宅戸数僅かに九万戸に過ぎない。脱落者四万戸を除いても更に三万戸の不足数を示している。開拓者は土地と家が基本的要求となつているが、住宅に対して政府は如何なる措置をなすつもりであるか。

五、開拓者中には戦災者、疎開者、引揚者等所謂戦争犠牲者が多い。しかも食糧増産が祖国再建の大前提なることを認識し、開拓に邁進しつつあるこれら入植者の最も要望しているのは資金である。政府は開拓者資金融通法により資金の貸付を実施しつあるが、その金額が僅少で又期限三ケ年は短期に過ぎると思う。少くとも五ケ年間は融資の必要ありと考えるが、昭和二十年、二十一年の開拓者に対して融資の方途を講ずる考えはないか。