質問主意書

第5回国会(特別会)

答弁書


答弁書第九十四号

内閣参甲第一一三号
  昭和二十四年五月三十日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員來馬琢道君提出地代等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員來馬琢道君提出地代等に関する質問に対する答弁書

 第一点につきましては、罹災都市借地借家臨時処理法第三条の「相当の対価」と地代家賃統制令第十二条の二「借地権利金」とはその根本においては同様の性質を有するものであります。但し地代家賃統制令は貸主と借主との関係を規定するものであつて借地人が交替する場合即ち、新借地人が前借地人に対して「権利金」を支払うことは禁止してはおりません。

 第二点につきましては、統制令の「権利金」は、地主と借地人間の問題であり、処理法の「相当な対価」は、借地人と罹災建物の借主間の問題でありまして、借地権設定の場合と借地権譲渡の場合と均衡を失する憾みがありますことに誠に御指摘の通りかと考えられます。「権利金」については充分再検討をいたしたいと存じます。

 第三点につきましては、所謂転貸人も地代家賃統制令の適用を受けることは御見解の通りと存じます。

 第四点につきましては、地方財政の窮乏を打開する一つの方途として昭和二十三年七月地租の賦課率が引き上げられました。しかし、地代収入について統制の実施されている土地所有者の担税力の実際に鑑がみ差当り地租の増徴に対応して地代の統制額が若干緩和されることになつたのであります。地代の統制額が緩和されたので東京都が地租を増徴したのではありません。