第5回国会(特別会)
答弁書第七十九号 内閣参甲第八三号 昭和二十四年五月二日 内閣総理大臣 吉田 茂 参議院議長 松平 恒雄 殿 参議院議員岡村文四郎君提出農林漁業復興資金融通に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員岡村文四郎君提出農林漁業復興資金融通に関する質問に対する答弁書 農林漁業復興のための長期資金の供給については、農林漁業の特殊性及び現下の一般金融の梗塞の現況に鑑み、これを一般市中金融機関に仰ぐことは殆んど不可能の現況に在るので、昭和二十三年度においては、暫定的措置として復興金融金庫の資金をもつて農林債券を引受け同年度末迄に約二十一億円の資金を供給して来つたのであるが、経済九原則の実施に伴い復興金融債券の発行は認められず従つて従来の資金供給方式は採用し得ないこととなつた。 そこで政府としては、協同組合系統金融機関その他を通じ、農林漁業部門における自己資本の蓄積に努力するとともに、対日援助資金特別会計から少くとも農業部門約五三億、林業約三億七千万、水産業八億五千万計約六五億大蔵省預金部特別会計より、農林水産部門に対して約四三億合計約百八億を供給すべく、目下関係各方面と鋭意折衝中である。 なお、農林漁業に関する長期金融機関に関しては、近く実施を予想せられる全般的な金融事業組織に関する改正とも勘案して善処致したい所存折角研究中である。 |