質問主意書

第5回国会(特別会)

答弁書


答弁書第五十四号

内閣参甲第五九号
  昭和二十四年四月二十日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員板野勝次君提出主要食糧消費者価格に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員板野勝次君提出主要食糧消費者価格に関する質問に対する答弁書

一、現在政府が主要食糧の消費者価格に対し補給金を支出せず、他の重要基礎資材に対し価格調整費を支出しているのは、終戦後の我国経済の異常な跛行に基くこれら基礎物資の価格を直接的に調整する方法によつて、極力諸物価を現行水準に維持し、以てインフレの促進を回避せんとする政策に出づるものである。

(イ) 主要食糧の消費者価格は、買入代金、早場米奨励金超過供出奨励金その地運送、保管、配給等に必要な事業経費を織込んで計算したのであるが、政府経費中食糧調整委員会費等の行政費に属すべきものについては、これを一般会計で負担することとし、消費者価格中におり込んでいない。
(ロ) 重要基礎物資に補給金を支出するのは、物価水準を維持するためにその生産者価格と消費者価格の差額について調整せんとするものであつて、それは決して特定産業の保護育成を目的とするものではなく、むしろ一般消費者の利益擁護の見地に立つものである。
なお、補給金制度は国民経済の安定化につれて漸次縮減廃止の方向に向うべきものであると考えられるが、この補給金の出し方を基礎的物資に出す現行制度は、末端の段階で出すことによる財政負担の増加を避けんとするものであつて、これを止めて末端消費物資に出す方法に改める考えはない。

二、今回政府が主要食糧の消費者価格を改訂したのは、経済九原則の実施に当り、先ず財政収支の均衡をはかると同時に、国民生活に最も関係の深い主要食糧の消費者価格を安定させようという趣旨に基き、予め本年産米麦等の生産者価格の上昇等を予想し年度当初において価格改訂を行い、特別の事情のない限り当分の間これを維持することによつて主食費に関する生計費を一応この線で安定せしめんとしたためである。
なお改訂価格の算出基礎は別紙の通りである。

価格改訂時以降明年三月末までの主要食糧消費量

主要食糧の消費者価格算出表 1/2
主要食糧の消費者価格算出表 2/2

食糧管理特別会計の買入代金明細表 1/4
食糧管理特別会計の買入代金明細表 2/4
食糧管理特別会計の買入代金明細表 3/4
食糧管理特別会計の買入代金明細表 4/4