第5回国会(特別会)
答弁書第三十三号 内閣参甲第三六号 昭和二十四年三月二十九日 内閣総理大臣 吉田 茂 参議院議長 松平 恒雄 殿 参議院議員山内卓郎君提出セメント工業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員山内卓郎君提出セメント工業に関する質問に対する答弁書 経済九原則の実施に伴い、予て、策定中の、経済復興五箇年計画も、改変を余儀なくされることと思うが、質問主意書に基き、経済復興五箇年計画仮案に基き、回答することとする。 (一)生産計画(年度別、工場別)
右は、日本経済再建資材並びに輸出向資材としてのセメントに対する需要を算定し、他方石炭、電力その他の供給力との関係とも考慮しつつ、極力セメントについては、経済復興の基礎資材たる観点より生産復興のピツチを速めるにつとめて策定されている。 右に対する工場別生産計画は、未だ確定していない。 (二)生産計画に伴う新増設、補修計画及びこれが所要資材の割当計画 セメントの現在公称設備能力は、六、一〇〇、〇〇〇トンと称せられているが実稼働能力は約三、〇〇〇、〇〇〇トンと見做される。従つて今後前項の生産計画を年々達成して行くためには、実稼働能力をこれに対応して整備して行くことを必要とする。併し公称能力が前記の如く六、一〇〇、〇〇〇トンに達する以上、一応現存工場の整備復旧のみにより実稼働能力を年々必要なだけ上げて行くことで充分となる。ただセメントについてはその需要の地域別が必ずしも輸送力を考慮に入れての地域別供給力と一致せず、その他石炭、電力等の生産諸条件の制約もあり、従つてある程度新増設を併行する必要がある。以上の観点より設備計画は次表の通り策定されている。
右表について更に工場別に如何に実施して行くかは未確定であるが、方針的には資材、資金の効率的使用と生産能率の向上等を基礎にして今後進められるべきであらう。 尚、現有設備の補修用所要量として、計上してる資材は概ね左の通りであるが末だ配当計画として確定するには到つていない。
(三)生産計画に伴う石炭、電力、紙袋等の配当計画
(四)部門別推定需要並に之に対する配当計画及仕向先別輸出計画(年度別) 別表 (五)設備資金、運転資金に関する長期融資に関する方策 昭和二十四年度以降の資金計画は、目下全般的に、策定中であるから、未だ、特に、セメント工業に付て、如何なる長期融資に関する方策が採らるべきか、結論を申述べる段階に達していない。 別紙 各年度別セメント需要量及び配当計画表(案) 1/4 別紙 各年度別セメント需要量及び配当計画表(案) 2/4 別紙 各年度別セメント需要量及び配当計画表(案) 3/4 別紙 各年度別セメント需要量及び配当計画表(案) 4/4 |