質問主意書

第5回国会(特別会)

答弁書


答弁書第二十一号

内閣参甲第二五号
  昭和二十四年三月二十二日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員池田恒雄君提出地力調査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員池田恒雄君提出地力調査に関する質問に対する答弁書

 昭和二十三年産主要食糧の供出割当を行うた時は、現行の「食糧確保臨時措置法」が第一国会において審議未了となつたが、その主旨を汲み行政的措置として事前供出割当を行つた。
 従来供出割当に対する批難の大多数が、市町村内の農家間において不均衡であるという事であつたのに鑑み、その事前割当を公平ならしめるための一資料として、先づ各市町村内各農家の耕地に付一筆毎に地力を調査して生産力が均衡のとれたものに仕上げるを目的として実施したのが、本年度における地力調査である。
 本調査においては一定の標準地を選定し、農民の機関である農業調整委員会が一筆毎に検討してこの標準地を基準に地力を判定して、市町村内において相対的に生産力の均衡のとれたものに仕上げるという方法をとつたのであつて、市町村間の均衡の問題は取上げなかつたのである。
 しかしながら市町村間、県間の均衡問題に迄発展せしむる事は必然的に生ずる問題であつて、かかる所から統計調査局調査によつて都道府県間の均衡はとれつつあるも、二十四年産稲から市町村の生産数量、作付面積を調査決定することとなるから、市町村間の均衡をとり得ることとなる。従つて供出の均衡も是正されることとなるが、根本的には、地力調査を待たなければならない。
 然しこれには相当の日時を要するので漸次実行するが、取敢えずの方法としては前記による他方法はない。これによつて今後は相当程度の均衡はとり得るものと思う。
 なお茨城県と栃木県との県境の町村における事前割当の実情については、現地食糧事務所で目下調査中である。