質問主意書

第5回国会(特別会)

答弁書


答弁書第二号

内閣参甲第六号
  昭和二十四年二月二十三日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員三好始君提出農林水産物の輸出入情況に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員三好始君提出農林水産物の輸出入情況に関する質問に対する答弁書

農林水産物の品目別輸入状況

一、主要食糧

 輸入穀類の中で最も入荷の多いのは小麦で、輸入総量の半分以上を占めている。今後は欧州向輸出増大とアメリカ西海岸出廻り減で多少減少するかも知れない。小麦粉は小麦に次いでいる。玉蜀黍は昨年度米国の飼料用作物の不作が原因し、余り輸入せられなかつたが、今年は六月までに相当量の輸入が実現する見込である。
 その他大豆粉、豆類、サゴ澱粉等が南方より入荷している。
 全体として穀類は新米の出廻期の十月より三月までは入荷が少く、四月より九月までの端境期にあたり輸入が増大している。

二、砂糖

 昨年は主食代替としてキユーバより大量の砂糖が入荷した。今後もキユーバ糖の生産状況とヨーロツパの輸入減とにより大体計画通り輸入せられるであらう。
 台湾糖も漸次生産が恢復し、本年六月までに約十七万トン入荷する見込である。

三、油脂及油脂原料

 世界的に見て油脂は依然として不足して居り、輸入実績も計画から見れば油脂に換算して昨年一年間に約二二%にすぎない。しかし昨年下半期よりアメリカ、中国、カナダ、イタリー等との間に油脂及油脂原料の輸入契約がぞくぞく成立し、見透しは非常に明るくなつてきた。

四、飼料

 麩、大豆粕等少量ずつ中国より輸入せられていたが、本年に入つてからは一段と輸入量も増加している。しかし中国の国情よりしてこれが急激なる増産は期待されない。

五、肥料

 燐鉱石は米国もの及殊にアンガウル島は貿易庁において開発しているので、これが、需要量を相当に上廻つて入荷している。硝安はアメリカの増産により円滑な輸入を示し計画量三十七万トンの達成も可能と思われる。
 加里塩は昨年上半期まではほとんど入荷がなかつたが、今後は六月迄に多量の入荷が期待される。

六、木材

 木材は従来ほとんど輸入せられなかつたが最近輸入が実現し今後も相当期待できる。

七、その他

 缶詰、ミルク等の加工食品類はわづかながら輸入せられている。殊に缶詰は終戦直後は相当の入荷をみたが昨年より激減している。昨年は味噌が中心よりかなり輸入せられたが最近の中国の情勢より輸入は停つている。その他牧草種子、ララの山羊、牛等が輸入されている。