質問主意書

第5回国会(特別会)

質問主意書


質問第八十六号

塩業政策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十四年五月十日

板野 勝次      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   塩業政策に関する質問主意書

一、政府は今年度においても全面的に外塩依存政策をとつているが、その根拠を明示せよ。

二、今や為替レートの設定により国内塩の生産費と外塩との差はきわめて僅少になり、更に国内塩業に対し抜本的方策を講ずるならば国内塩による事は益々有利となると思うが政府の所見如何。

三、昭和二十三年十二月十七日附(内閣参甲第二〇九号)の答弁書第二項において、我が製塩業の熱源問題に関し「熱源の充分な見透がつかぬ部門には新設改良のための資金資材の配分も充分に参らない。かかる全国民経済的な理由が製塩業の新設改良抑制の理由であります。」と答えているが、この製塩業に対する熱源の供給を少なくしているのは、政府自らである。従つて製塩業の近代化を妨げているのは政府である。従つて又国内塩業をつぶすものは政府である。この点については如何に考えるか。

四、石炭、特に低位炭の生産過剰が伝えられている今日、この点から見るも、塩業に対する熱源供給を制限する事は何等その法理的理由がないと考えるが如何。
又従つて従来の政府の見解に照らすならば、ここに新設改良のために資金資材を割当てるべき理由が発生したものと考えられるが、政府の所見如何。

五、専売法改正による生産の制限によつて生ずる犠牲者に対する補償は専業製塩に対してのみ支給されるのか、又は自給製塩に対しても与えられるものであるか、又残存企業の立直りに対し資金資材の面において如何なる政策を行うのであるか。

六、塩業整備委員会答申書第三項の一にある資金資材の許す限り暫時製塩設備を整備改良すべしとの答申を如何に実施する考えであるか。

七、塩業整備委員会は、業者代表の意見を専ら聴取しているが、何故に労働者側の意見を聴取しなかつたか、又今後においては如何なる考えをもつているか。

八、配炭の制限をうけている塩業としては今後亜炭、格外炭の使用も止むなしと考えるものであるが、亜炭、格外炭を現に使用している産業と、その消費量並にその生産量(本年度計画)を発表せられたし。