質問主意書

第4回国会(常会)

質問主意書


質問第十号

国有鉄道の駅における宗教施設に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十三年十二月十日

來馬 琢道      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   国有鉄道の駅における宗教施設に関する質問主意書

 昭和二十三年十二月七日「東京新聞」によるに国鉄蒲田駅においては、乗降場内にクリスマスツリーを飾りつけ、駅員は「これで旅客の方に少しでもクリスマス気分を味つていただければ」と語つたと報道している。若し之が事実とすれば、憲法牴触の施設なりと思う。いうまでも無く日本国憲法は第二十条に「国及びその機関は宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と規定している。クリスマスツリーは、基督教の教祖耶蘇基督の誕生日を祝うために立つるもので、たといそれが西洋諸国の年中行事に取入れられてあるにせよ、我国においてこれを立つる事は、教祖誕生祝賀の宣伝であつて宗教的活動の一種たる事は疑いない。蒲田駅のこの施設は憲法に牴触するものと思考する。政府は寺院神社等に公立学校生徒の団体立入にも憲法牴触を理由として禁止に近き指示を発しているようであるが蒲田駅のこの施設に対していかなる処置を講ぜらるるや明確なる答弁を要求する。