質問主意書

第4回国会(常会)

質問主意書


質問第九号

不正摘発粛正委員会に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十三年十二月九日

板野 勝次      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   不正摘発粛正委員会に関する質問主意書

一、官庁関係職員組合において不正摘発粛正委員会が設立されて不正摘発闘争を進めているが、高級官僚、政界、財界の結託による腐敗の現状は目にあまるものがある。
 このときこの種委員会の設置による不正摘発闘争は強力に推進さるべきものと思うが、政府はこれに対していかなる見解をもつてのぞんでいるのか。くさいものに蓋をするために圧迫を加えているのではないか。

二、大口ヤミ脱税について大蔵省職員組合が摘発闘争をやろうとすると政府において圧迫を加え大口ヤミ脱税者を保護しているように思うがこのような大口ヤミ脱税の摘発こそ中小業者や農民に対する水増し徴税の必要をなくし税負担を軽減し、取引高税も即時撒廃し得る道となるので政府において大いに奨励すべきものと思われるのに、政府はこれと反対に、このような活動を抑制する方針ではないか。

 以上の点について政府は警察及び行政官庁がこれを行うとの見解をとると言われると思うが、現在の政府機関が無力と怠慢による結果として現われた現象であることは、万人の認める所である。この時組合が官庁の民主化、行政の民主的強化を目的として、これを行うことは最も望ましいと考えられる。この点に関しては、吉田内閣総理大臣の施政方針演説に対する私の質問演説に対して吉田首相が答弁を回避しているので特に明解なる答弁を望む。