質問主意書

第3回国会(臨時会)

質問主意書


質問第九号

ナホトカよりの引揚船及び上陸地における暴行事件についての質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十三年十一月十三日

細川 嘉六      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   ナホトカよりの引揚船及び上陸地における暴行事件についての質問主意書

 最近引揚者の報告その他の情報によればナホトカよりの引揚船及び舞鶴上陸地において次のような暴行事件が頻発しているといわれる。
一、十一月一日舞鶴入港英彦丸においてナホトカ乗船直後船内で暴行事件が突発し重軽症者が出で海中に投ぜられた者があり舞鶴上陸の際人員十三名不足していたと。
一、十一月一日舞鶴入港恵山丸の一部引揚者に対して二日夕刻より第三寮において英彦丸および恵山丸の一部引揚者より暴行が加えられその結果副梯団長中川澄雄外約三十名が重軽症をうけうち三名は肋骨を折られて入院死亡し二十三名が入院あるいは融離されていると。
一、十一月二日舞鶴入港高砂丸の一部引揚者に対して二日夜より四日にかけて第五寮において暴行が加えられ三十数名が重軽症をうけ一部は入院或は融離されていると。
 右のような事件は本年五月にも生じたものであるが左の事項について答弁を願いたい。

一、当局は予想せられるこの種事件に対しいかなる措置を講じていたか。

一、右事件及び類似事件の詳細なる真相。

一、被害者の氏名、住所、年令、旧軍隊における階級、被害、入院、融離の状況。

一、加害者の氏名、住所、年令、旧軍隊における階級、如何なる処分をうけたか。

一、暴行前後を通じて当局のとつた措置。

一、船中及び上陸地において引揚者の取扱いに当つた責任者の氏名、職名。