質問主意書

第3回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八号

亜炭鉱業に対する政府の処置に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十三年十一月十一日

油井 賢太郎      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   亜炭鉱業に対する政府の処置に関する質問主意書

 亜炭の配給統制については配炭公団法の定むる処により公団において完全買取の制度があるにも拘わらず、買取制限を行つたため業者は十月分の労銀さへ支払う事の出来ない処もあり、資材の購入運転資金の行詰りから休山又は廃鉱の頻発を見ているという事である。業者は関係官庁である石炭庁、大蔵省復興金融金庫配炭公団等に連日の如く交渉を進めているが責任の帰着点が明瞭でなく徒らに堂々巡りを繰返すに過ぎない状態である。左記の条項に対し政府の明確なる処理方針を示し亜炭鉱業の進むべき方途を誤りなきよう期せられたい。

一、坑所貯炭は公団が当然買取るべき事を予想し生産されたものであるから配炭公団をして完全買取を実施されたいとの要望がある誠に当然の事と思われるが別表(1)、(2)の公団法第十六条の不履行による炭代金に対する政府の具体的見解如何。

二、公団側としては復金が融資をしないので買取が出来ないという話もあるが復金に対して速やかに融資の指令を出せないものか。

三、復金の言によれば赤字融資となる虞れある亜炭の買取に対しては政府より固く禁止されているというが果して事実なりや。

四、公団が亜炭を公定価格で引取つて赤字が出るというのは誠に不審に堪えない、生産者価格噸当り一、九〇〇円に対し四〇〇円の手数料をとつて販売して尚且つ赤字が出るというのは如何なる経費が掛るのか。

五、亜炭の価格が石炭に比較して高過ぎるので買受人が少いという話もあるが石炭に比べ国家の利害得失上価格補償金等に対し政府として如何なる対策を有するや。

六、亜炭の統制撤廃による過渡的措置として三ケ月位の繋ぎ資金七億八千万円弱の要求が別紙の通り出ているが尤もの事と思われる。之に対する政府側の見解如何。

(一) 七月一日現在貯炭買取金額(公団法第一六条による)
七月一日迄の不履行分
貯 炭 数 量平 均 価 格金     額
二二六、三四〇一、二〇〇二七一、六〇八、〇〇〇円
(註) 貯炭数量は二五一、四八九なるも四〇立方尺一噸として換算

(二) 公団法第十六条不履行炭金額
月別平均生産量公団買取量山元消費量差引買取不履行炭 価金    額
二一九、六〇〇一三六、八〇〇一二、八九〇七〇、九一〇一、二〇〇八五、〇九二、〇〇〇
二一九、六〇〇一三六、九五九(見込)一二、八九〇六九、七六〇八三、七一二、〇〇〇
二一九、六〇〇一三五、〇〇〇(見込)一二、八九〇七一、七一〇八三、〇五二、〇〇〇
一〇七三、〇〇〇六八、四〇〇四、六〇〇
七三一、八〇〇四七五、一五九四三、二七〇二五四、八五六、〇〇〇
(註) 平均生産量は二四四、〇〇〇(三六立方尺一噸)を貯炭同様四〇立方尺一噸として換算山元消費量は七―九割当量の平均なり

(三) 産業再建資金
紐切回復資金
月別平均生産量山元消費量販売見込量代金回収不能量炭 価金 額
一〇一四六、〇〇〇四、六〇〇一四一、四〇〇一四一、四〇〇一、九〇〇二六八、六六〇、〇〇〇
一一二一九、六〇〇一二、八九〇二〇六、七一〇一六五、三六八三一四、一九六、〇〇〇
一二二一九、六〇〇一二、八九〇二〇六、七一〇一〇三、三五五一九六、三七四、五〇〇
五八五、二〇〇三〇、三九〇五五四、八二〇四一〇、一二三七七九、二三三、七〇〇
備考 販売代金の回収は販売見込数量に対し一〇月は  %一一月は二〇%、一二月は五〇%程度可能一月以降大体入金を予想す

総計 (一)+(二)+(三)=一、三〇五、六九七、七〇〇、〇〇