質問主意書

第3回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

繭増産と地方還元に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十三年十月二十日

油井 賢太郎      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   繭増産と地方還元に関する質問主意書

 日本再建の為に輸出振興を図らなければならない事は、官民挙げての声であり、輸出貿易に純国産品としての生糸、絹織物の増産の重要性は益々強調されるのも亦当然である。然るに、此の目的達成の為、繭の増産が必要で有るにも拘らず、政府の企図する程の実を挙げ得ないのは、洵に遺憾に堪えない。此の原因は種々あらうが、増産に対し非常なる熱意を示して居る地方自治体並に製糸業者に報ゆる方策を確立する事が、肝要ではあるまいか。地方自治体並に製糸業者が努力して優秀なる蚕種を創造し、養蚕家と緊密なる連繋を図つて増産に努力しても、その果実で有る繭を他の府県所在の製糸業者に廻される制度の如きは、この際徹底的に改めるべきではいか。此の意味で繭の需給調整は、各府県単位の意向を充分に汲み取り、出来得る限り各府県で増産の実の挙つた各府県に還元配給すべきである。政府当局の所信を伺ひ度い。