第2回国会(常会)
答弁書第百二十七号 内閣参甲第一二七号 昭和二十三年六月十一日 内閣総理大臣 芦田 均 参議院議長 松平 恒雄 殿 参議院議員板野勝次君提出食糧問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員板野勝次君提出食糧問題に関する質問に対する答弁書 一、一部の農村において耕作放棄をなす農家の現われているのをきくことは遺憾である、これ等の耕作放棄は一般に集団的ではなく一部の山村又は不良農地について諸般の事情より散発的に現われてをり、これ等農家は自己の保有米生産程度に耕作を縮少しようとするものが大部分である。 しかし半面に終戦後農家戸数殊に零細農家は著しく増加の傾向により農地委員会等の斡旋活動等によつて地方的に解決されて居るので放棄地が直ちに不耕作のまま放棄されておるものは比較的少ない。 しかし耕作放棄の如きことは事態の深刻さを表わすものであり食糧増産上又農村民生の安定上由々しい事柄であるので今後これ等山村又は不良農地等に対し耕作放棄を招来するが如き原因の除去について適当な措置をいたし度いと考える。 なお全国及び各府県の統計については目下調査中である。 一、農家の供出完了に伴い割当当時の生産見込高と実収高との喰違いにより一部の農家において飯米の不足を生じている者があるがこれが数量については個々の農家の要求する必要量と各府県の還元配給必要見込量とは必ずしも一致せず確実なる要求数量の把握は困難であるが、政府としては割当当時の生産見込高と実収高との差額等よりして全国統計約一六〇万石程度の還元配給を必要とするものと認め右数量の配給は確保する予定である。 これが価格については一般消費者に対する販売価格より中間経費、即ち食糧配給公団手数料、食糧管理特別会計の経費、消費地保管料、運賃等を控除した特別価格を適用する。 一、二十三年度における食糧需給計画は本年度も概ね半ば以上を経過しているので今後中間端境期以降の需給計画を示せば別表の通りである。 昭和二十三年米穀年度(自六月至十月)需給推算 |