質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第百十号

内閣参甲第一〇九号
  昭和二十三年五月十五日

内閣総理大臣 芦田 均      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小林勝馬君提出刑事部屋の改善に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小林勝馬君提出刑事部屋の改善に関する質問に対する答弁書

 警察署における刑事係室は、刑事係の事務室であると共に刑事係の宿直室でありまして取調室は、別に設けるのを原則としているのでありますが狭少な警察署においては、已むを得ず刑事係室において取調べているところもあるのであります。
 この刑事係室及び取調室は逃走、自殺等の事故防止又は本人の名誉保持のため庁舎内の公衆の出入の少い場所を択んで設けているため、自ら留置場に接近しているものが多いので兎角従来より陰惨な感じがあるという批難があつたことは御説の通りであります。
 警察としては刑事係室の清潔整頓を計ると共に人権尊重を期するの見地より昭和二十一年以降数度に亘り留置場並びに取調室等の改善に努めて参つたのでありますが今後におきましても自治体警察と協力し出来るだけ取調室は刑事係室と分離し適当な場所を選定して設けると共にこれらの室の明朗化を計りいわゆる従来刑事部屋と俗称されていたような観念の一掃に努めたいと考えている次第であります。