質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第九十八号

内閣参甲第一〇四号
  昭和二十三年五月七日

内閣総理大臣 芦田 均      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出乳児配給量等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出乳児配給量等に関する質問に対する答弁書

一、及二、の答弁

 満一才以下の人工並に混合栄養児に対する牛乳の配給量は医師の証明に基き月齢により又人工哺乳の程度によつて不定のものであるが飲用牛乳、煉粉乳、育児食の供給増加に努め現在乳児一人当牛乳にして一日平均二合五勺の配給を期している。
 併しこの量ではなお不充分であるばかりでなく最近の需要増加のため二合五勺の配給すら受けられない傾向にあるので乳幼児食糧の拡充を期し十一月より乳幼児食糧綜合配給計画の実施を準備中でありこれが内容は人工栄養児に対しても栄養的に必要とする牛乳、砂糖、澱粉等の量を確保し得て一日平均三合、五四の配給へと目途している。
 市販飲用牛乳の成分カロリーは常に多分の変動があるものであつて牛乳の標準カロリーを貼布することは内容がこれに一致するものと見なされるおそれがある、市販牛乳の規格については従来も取締規則の規定に基き脂肪、比重、細菌等につき厚生省の指導の下に牛乳検査が実施されているが食品衛生法の施行規則の実施に伴い不良牛乳の厳重な取締りが期待されている。
 なお砂糖については現在連合軍最高司令部の厚意に依り放出された輸入砂糖を一才未満の人工、混合栄養児に対し牛乳添加用として一人一月当平均九〇〇瓦(一、五斤)を配給しているこの配給量は人工、混合栄養児の牛乳の飲用量によつて異るが一日一人牛乳三合に対して砂糖三〇瓦の基準であり加糖煉粉乳の配給を受けるものには差引いて配給している。

三、四、五の答弁

 輸入糖については輸入港、国内糖については生産工場において発送前に厳重に検査しており若し輸送中又は保管中に砂その他の不純物が混入したり水濡れしたりした場合には配給前に全部良品と交換する様にしているので配給砂糖に砂が混入しているということはないと信ずる。
 しかし万一今回の質問の様な事実があつたならば当局としても充分調査したいから具体的に配給場所期日をお知らせ願いたい。
 なお砂糖の検査については食料品配給公団検査局において今後も一層厳重に検査を実施して質問の様な事実が万一にも行われない様万全の措置を講じていきたい。