質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第九十六号

内閣参甲第一〇二号
  昭和二十三年五月七日

内閣総理大臣 芦田 均      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出硝酸アンモン輸入と収穫に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出硝酸アンモン輸入と収穫に関する質問に対する答弁書

一、現在米国より輸入配給している硝酸アンモニアは窒素含有率が三〇-三三%のものでその内半分はアンモニア態の窒素で残半分は硝酸態である。而して畑では硫安の様なアンモニア態の窒素も速に硝化作用により硝酸態の窒素に変り作物に吸収される従つて畑作においては硫安と硝酸アンモニアではその効き方は大体同様である、寧ろ硫安の様に酸牲肥料でないから硫安に優るとも言える、然し水稲に施す場合はアンモニア態の窒素は硫安と同様の肥効があるが硝酸態の窒素は脱窒作用を受けこれを基肥に施すとその主要部分が瓦斯体となり飛散する。但し水稲の生育盛な時期に追肥とすれば硫安の窒素の八割の肥効があるかかる事実に鑑み稲肥料としは硫安と石灰窒素のみを配給し、硝酸アンモニアは専ら畑作物の肥料として配給している。尚硝酸アンモニアの肥料としての性質及その施し方等については再々ラヂオ放送及新聞等により普及宣伝に努めている。

二、硝酸アンモニアの輸入総量三三三、八一八トン(昭和二十二年二四二、八六九トン昭和二十三年四月まで九〇、九四九トン)であり今後の輸入見込については現在の所見透しは困難であるこれについては極力懇請して輸入を図りたい。
 硝酸アンモニアの農家渡販売価格(中味渡)は一袋(一〇〇封度)四五五円三七銭(トン当一〇、三一〇円)である。