質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第七十九号

内閣参甲第七九号
  昭和二十三年四月二十七日

内閣総理大臣 芦田 均      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出発明家国庫補助に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出発明家国庫補助に関する質問に対する答弁書

一、政府は発明奨励のため次のような措置を講じている。

(1) 優秀な発明考案をしながらも経済上の支障のためその試作或は中間工業化試験の実施困難なものに対しては補助金を交付して、その実施化を援助し、又研究資材等についても極力斡旋し発明研究完遂に遺憾のないように努力している。
 昭和二十二年度においては実施化試験補助金として七〇万円を一〇件の優秀な発明に対して交付したが、昭和二十三年度においては補助金一五〇万円を予定している。
(2) 優秀な技能を有する発明家で試作研究施設を持たないもののために試験研究施設を開放して発明研究の便宜を図つている。
 昭和二十二年度においては開放研究施設補助金として四〇万円を四ケ所(京都、大阪、名古屋、新潟)の研究機関に対して交付したが昭和二十三年度においては補助金六〇万円を予定している。
(3) 社団法人発明協会は我国における唯一の発明奨励団体であり発明家の表彰、発明の実施援助等発明奨励に関する一切の事業を行つているので、これを援助して発明の振興に努力せしめている。
 同協会に対し昭和二十二年度においては一九〇万円を補助金として交付したが昭和二十三年度においては二〇〇万円を予定している。

二、発明家に対する国家補助は現下の国家財政とにらみ合せ以上のような程度に止まつているが、発明の重要性に鑑み、今後財政の許す限り発明奨励の施策を充実して発明家の援助を計りたいと考えている。