第2回国会(常会)
答弁書第五十三号 内閣参甲第五四号 昭和二十三年四月九日 内閣総理大臣 芦田 均 参議院議長 松平 恒雄 殿 参議院議員小川友三君提出警官々舎設置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員小川友三君提出警官々舎設置に関する質問に対する答弁書 御質問の警察官々舎についてお答えする。 御質問の御趣旨の如く、警察官全員に対し官舎を与えることは、警備力の維持、警察能率の増進等の面から見て必要なことであり、多年の懸案として、その実現に努力して来た次第である。 しかしながら今日まで種々の理由によりその実現を見ず特に終戦後においては御承知の通り、国家及び地方財政は逼迫し、警察運営に直接必要な経費についても極度に切りつめなければならぬ状況であつて、仲々官舎設置費を得るまでに到らない実状である。 それ故地方においては、地元民間有力者の発意により、有志の寄付を得て住宅を建設し、これを利用しておる向もあるが、これはあくまで寄付者の厚意によるものであつておのづから限度がある。 なお一部においては、独身の警察官を原則として警察寮に居住させ警察官が一定の規律の下に日常起居を共にし、切瑳琢磨して人格の向上、警察事務の研究に努力すると共に一面経済的な面倒を見ている処もある。 なお警察官の身上並びに規律保持については常に留意し、非違の絶滅を期している。 今後も警察官の官舎設置については、各位の御協力を得て国家ならびに地方財政の許す限り努力し、その実現を期したいと考えている。 |