質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第三十一号

内閣参甲第二十八号
  昭和二十三年三月十九日

内閣総理大臣 芦田 均      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出政府印刷局ストに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出政府印刷局ストに関する質問に対する答弁書

 御質問の趣旨は、まことに御尤もである。政府においても現下における印刷局の重要性に鑑み深甚の考慮を払つて来たのであるが、一月二十九日全印刷局労組がストに入り国会公報まで一時中止するに至つたのは誠に遺憾である。政府は、これが円満なる解決を速急に図るべく、スト開始以来日夜肝胆をくだき、労組代表と膝を交えて幾多の会合を行い組合の意見を十分に尊重する態度に出た。又、客観的にして公正な第三者の判断に俟つため、中労委の協力をも得たが、スト開始以来九日にして二月六日協定成立し、次いで二月七日協定書の本調印を見るに至り、スト行為が中止されるに至つたのは政府として非常に喜びに堪えない所であつた。右協定書により、今回のストの主要なる誘因と見られる時間外手当の増額については遡及支給の困難なることを認め、別途今後における印刷局の生産増強と睨み合せ生産奨励金制を確立することになり、目下この制度につき各方面と折衝中である。従つて今後の印刷局員の生活は、一般政府職員に比較して敢えて遜色のないものになると期待されるから、目下スト発生の虞れはなく、御質問の趣旨にも十分に副いうるものと確信しているものである。

  右簡単ながら今回の印刷局ストに対する政府の所信を明かにして、御質問の答弁としたい。