質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第九十七号)昭和二十二年十月二十七日配付

内閣参甲第一一〇号
  昭和二十二年十月二十四日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出渡良瀬川堤防工事促進等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出渡良瀬川堤防工事促進等に関する質問に対する答弁書

 埼玉県川辺村地先渡良瀬川欠潰箇所の締切工事は利根本流の締切工事と同時着工を計画したのでありますが、常時水の流入する利根本流の締切工事が急でありましたため、折角集積した締切材料も利根川に振向ける必要を生じます等勢い本地点の締切は遅延を来たしましたが、既に利根本流の締切も一応完成し本地点にも相当器材を集積し本格的締切工事に着工致して居りますので、今後は迅速な進捗を図りまして、本年中には大体の完成を期する計画であります。
 又水害地の漂流物、拾得物等の措置については、内務省として防犯の立場から九月十九日関係県に対し通牒を発し、出来るだけこれ等の物資が罹災者の手に戻るよう、沿岸の住民に対し届出の励行方を掲示、其他の方法を以て一般に周知徹底させることに努めた次第であります。
 更に災害耕地の復旧に関しては可久的速かにこれを完遂して作付することが必要である。今次の水害耕地の復旧に対しては、機械力も相当取入れてその促進を図るとともに被害激甚地は補助金も相当高率にする予定であるから、地元に於いても大いに復旧意慾に燃えてその進捗を図ることが望ましい。
 然し到底復旧の見込のない箇所の農家に対しては、適当な附近の開拓地に移住せしめ、新農村建設に充分な指導援助をする決心である。