質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第九十一号)昭和二十二年十月二十三日配付

内閣参甲第一〇八号
  昭和二十二年十月二十一日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員三好始君提出米価決定におけるパリテイ計算に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員三好始君提出米価決定におけるパリテイ計算に関する質問に対する答弁書

一 物価体系の一構成要素として米価に将来における他物価の値上りを見込むことは、将来に生ずる物価騰貴を現在に招来することであつて、インフレを助長するものであるから、現在の物価水準に基いて米価を決定せねばならない。

二 昭和二十二年産米価は、今次一般物価体系の一部として決定されるものであるが、この体系は一定の方針の下に、七月以来累次決定されて、今日は既にその全体系が略々確立出来たとみられる。
 今般パリテイ計算により決定される米価はこの一般物価体系が動かされない限り農家の購入するものの価格と均衡のとれたるものとなるものと考えられる。

三 若し物価体系に根本的な変更をみるような場合は、米価に対しても必要によりこれに想りて改訂を行い再生産に支障を生ぜしめないよう措置することは当然である。

四 農産物以外の他の物品の価格についても、パリテイ計算による場合でも原価計算による場合でもすべて原則として、公定価格によつて計算するのは、物価の統制上やむを得ないのであるが、再生産確保の裏づけとして農家の経営及び家計に必要な物資の必要量を(公)で供給することは最も重要なことであつて政府としても、万全の策を講ずるつもりである。