質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第八十三号)昭和二十二年十月十六日配付

内閣参甲第九五号
  昭和二十二年十月十四日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出未利用資源による料理店許可に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出未利用資源による料理店許可に関する質問に対する答弁書

 食糧の用に供せられる未利用資源を活用すべきことは御説の通りであると考えますが、然し戦時中の政府も終戦後の政府も大いに国民に訴えてこれが活用を図るよう宣伝に努めたのでありますがついに龍頭蛇尾に終つたことは御承知の通りで実行上は集荷技術上其の他種々の困難を伴うものであります。
 成程料理店等の専門業者の特別な技術経験を利用してこれが食糧化を工夫せしめることは未利用資源活用上の一策とは存じますが、要するに未利用資源の食糧化と云うことはこれ等未利用資源を主体として、これに澱粉、魚介類、野菜及び調味料等の統制食料品を加え大衆の口に合うものにして始めて食糧として大衆に利用されることになるものであります。然るに主原料に加えるこれ等主要食糧である副原料の割合は少量でありませうけれども、これを何十万、何百万人分となりますときは、その量も相当量に上ることとなりまして、そうなると現在の食糧事情においてはこの方面に割当配給することは困難であり、そこで仮に若し不充分な配給をするとすれば却つてこれ等の物資の流通秩序をみだすことにもなることが必然であると云うことをおそれるものであります。
 現在国民は挙げて一切の努力を流通秩序の確立に注ぐべき時であると考えられる際に、未利用資源を調理販売する料理店の営業を許可することは以上の理由に因つて当分不適当だと結論せざるを得ないところと存ずるのであります。