質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第七十三号)昭和二十二年十月九日配付

内閣参甲第八〇号
  昭和二十二年十月七日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出電燈税により百億円増収に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出電燈税により百億円増収に関する質問に対する答弁書

 電燈税を国税として御質問のように、二灯以上使用するものに対してのみ課税致しますことは、次のような理由により、適当でないと存ぜられます。

(一) 二灯以上使用するものに対し提案の如き、高率課税は、国民の最低生活を脅かすこと。
(二) 消費節約の可能と認められる者についてのみ、課税の対象を求めるときは、徒らに繁煩な手数を要するだけで、その税収入は僅少であること。
(三) 商工業者の営業用、産業用等の電力を、課税の対象とすることは、営業費の高騰となり、一般物価の引上げを要すること。
(四) 国民生活及び一般物価に、影響を及ぼさない程度の低率な課税であるならば、税収入において、百億円を確保することは、不可能であること。
 御承知のように、昨年度までは、国税として電気瓦斯税を課税していたのでありますが、大体以上のような観点からして、これを廃止したのであります。然しながら、電燈税を地方税として考えますときには、地方施設との関連があり、且つ又、税率を、電気料金の一割程度として、賦課致しますならば、応能的な色彩も強く現われ、必ずしも一律な大衆課税とは言えないと考えられますので、逼迫した地方財政におきましては、納税義務者の負担過重とならないこの程度でありますならば、国税として課税するよりも寧ろ、地方税として、課税することが適当なものと存ぜられます。