質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第五十九号)昭和二十二年九月二十七日配付

内閣参甲第六八号
  昭和二十二年九月二十六日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員石川一衞君提出利根川及荒川堤防決壊に関しての質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石川一衞君提出利根川及荒川堤防決壊に関しての質問に対する答弁書

一、今回の台風に因る異常の大出水に因り利根川堤防の決壊を見、大惨害を齎らしましたることは実に痛恨に堪えない次第であります。
 利根川は昭和十年及び昭和十三年の大洪水に鑑みまして増補計画を樹立し、先ずその第一期として昭和十四年より十五ケ年計画工費約五百三十八万円を以て工事に着手して今日に至つたのでありますが、着工後幾何もなく戦時に突入し、工事の施工は極度の圧縮を受けましたる為、克く緩急順序を比較致しまして真に急を要する箇所より漸次着工致して来たのでありますが、今回の決壊箇所に至らぬ中に事ここに至りましたることは実に痛恨に堪えない次第であります。
 これが復旧につきましては、国及び関係県相協力してその完了の一日も速かならんことを期する次第であります。
 尚事ここに至りましたる以上現在は差当り一日も速かに復旧を完了することが責任を完うする所以と信じ関係者一同懸命の努力を致して居る次第であります。

二、最近十ケ年間の利根川維持費の支出状況は左の通りであります。

利根川筋維持費支出額調

三、荒川堤防の決壊についても利根川同様国及び関係県相協力して復旧の一日も速かならんことを期する次第であります。