質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第五十八号)昭和二十二年九月二十五日配付

内閣参甲第六五号
  昭和二十二年九月二十三日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員柏木庫治君外一名提出釈放者等の身分証明に関する質問に対し別紙答弁書を送付する。



   参議院議員柏木庫治君及び岡部常君提出釈放者等の身分証明に関する質問に対する答弁書

一 いわゆる前科の証明については、従来から、大赦、特赦により赦免された者、刑の執行猶予期間を満了した者及び復権を得た者には、前科のない旨の証明書を交付し、これらの者の保護に遺憾のないようにしていたのであるが、なほ本人に対し前科の有無に関する証明書を交付すること自体に弊害を生ずる虞があることに鑑み、昨昭和二十一年十一月十二日附内務省地方局長の地方長官宛通達によつて、前科に関する事項は、当該官公署の照会によるもの以外は一切これを知らせないこととした、この趣旨は、その後確実に励行されていると信ずるので、これにより御諒承願いたい。

二 前項に掲げた以外の釈放者についても、今日では、右に述べた通達により、一切前科についての身分証明をしないことになつているから、この点に関する限り、保護上遺憾のない措置がとられていると考える。