質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第十四号)昭和二十二年八月十二日配付

内閣参甲第二二号
  昭和二十二年八月八日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員北條秀一君他四名提出最近の復員者待遇に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員北條秀一君外四名提出最近の復員者待遇に関する質問に対する答弁書

一、未復員者に対しては、復員するまで元の階級に応じて俸給や給料が支給されている。其の支給の方法は、旧陸軍では営外者に対しては原則として留守宅渡により、営内者に対しては帰還の際とりまとめて支給される。そこでもと兵であるならば八月現在で復員に際し二百五十円内外の未支給俸給が支払われることとなつている。旧海軍では希望により家族渡を行い家族渡を希望しないものは帰還後未給与金を纏め支給している。
 交通費については、帰郷時の雑用措弁のため上陸地で階級に拘らず一律に三百円を支給される。復員者は個人としては鉄道運賃を支払わないで国庫で負担している。

二、俸給については、元の兵に対しその額を引上げると共に下士官以上におけると同様に内地に扶養家族を有するものには家族手当を支給する一案を得て目下研究中である。
 交通費について三百円の額が決定された当時と現在とでは事情も違うので研究を要するが、財源その他の関係もあり現在の処速急の実現は難しい。

三、復員傷痍軍人の治療費については生活保護法の適用により国庫に於て負担し、その適用を受け得ないもので他に治療費の支出の途なきものについては治療費の免除等の方法により国庫の負担を継続する方針である。