質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第十号)昭和二十二年八月二日配付

内閣参甲第一四号
  昭和二十二年八月一日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員市來乙彦君提出食生活安定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員市來乙彦君提出食生活安定に関する質問に対する答弁書

一、公定価格の約二倍程度の協定価格制を実施することは公定価格制度及び新物価体系維持の立前より適当ではない。

二、近年大消費地向蔬菜入荷が激減している主たる原因は従来大消費都市への蔬菜の主要供給地であつた特産地が生産資材殊に肥料の不足によつて壊滅したためであつて大消費都市向蔬菜を確保するためにはこれらの特産地の再興育成が前提要件である。このために食糧緊急対策の一として差当り八月――十月の大消費地向蔬菜の増産を図るため特産地に対し肥料一、〇〇〇屯、農薬一〇〇屯の先渡しを実施したのであるがこの方策は今後とも引続き実施する予定である。

三、現行公定価格については新物価系に即応するように新公定価格を準備中であり八月早々より実施する予定である。

四、更に大消費地向出荷蔬菜についてはリンク肥料を現行の約三倍程度に引上げ(八大消費地域向については平均蔬菜四〇貫につき窒素質肥料―硫安換算―一貫その他の中小都市については硫安八〇〇匁)八大消費地域については七月十五日より実施中でありその他の中小都市については八月一日より実施する予定である。

五、以上の諸方策の実施により生産農家の生産意欲を刺戟し或る程度の大都市向蔬菜を確保しうる見込である。

六、尚八月一日より臨時物資需給法に基いて新しく青果物及び漬物配給規則を施行し出荷配給機構の強化刷新を図り関係業者間の活溌なる活動を促進するとともに通帳制等の採用により横流れ、闇売りを防止し適正なる家庭配給の確保を図るつもりである。