質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第百二十五号)昭和二十二年十一月二十日配付

現農地主食糧二倍化等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年十一月十八日

小川 友三      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   現農地主食糧二倍化等に関する質問主意書

一、農地面積は同一にて実際収穫二倍化は研究と努力により不可能でない、麦作の目下播種中であるが農民は旧来の作附法で一段歩の内一割五分前後しか播種面種は使用しておらない。八五%は空地である。広巾に播種すれば五割を耕作地として出来収穫は二倍容易である。勿論、肥料も二倍前後は入用であるが、増収において著しきものがあるが、政府はこの方法を指導すべきであるが処見を問う。

二、政府は欠配十数日分をたな上げすると発表しておるが、これは憲法第二十五条「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」及び第二項に違反する行為である、憲法なき時代の専制政治家のやる行為である、国民は欠配量十数日分はこれを主食所有者より借りておる人々と、闇買いの人々に二大別される、一千八百円ベースでは金がないので借りておる人々は、死以外にその責任をはたせない、政府は死を求むるに近いのである、闇買いの人々は竹の子生活で衣類を売つて求めた人々が大部分である、生活苦正に地獄の三丁目である、国会開会中に国会に計らず欠配のたな上げは、国会無視である。満配は不可能でない、芋でも良いから配給すべし。政府の処見を問う。

三、国内の平地林は水害に関係が薄いのであるから農地にすべきである、平地林は全国に何万町歩あるか、この内観光地は別であるが、建築材、薪炭材が全日本の消費量の数ケ年分有ると信ずるが如何、この平地林は農耕地として、引揚者及び戦災者並に帰農希望者に開放すべきであるが、政府の処見を問う。

四、農業保険に加入せる農民が水害にて保険金の下付方を急いでおるが、政府の支払状況を問う、昨今の(公)の引上により一段歩五千円まで最高額(加入)を認むべきであるが如何。

五、製粉所の多くは委託者の持込量の5%前後を雑収入として取つておる、甚だしきは一割前後を雑収入として取り上げておる、一ケ年二百万トンの製粉として二十万トン又は十万トンが、これ等製粉所収入となつており、闇売の温床所となり、全国の製粉業者の好景気は実に驚くべきものがある、数億万円の年収である、政府は優秀官吏を製粉所に駐在せしめ監督すべきであるが、政府の処見を問う。

六、悪性インフレ時代に海外より昨今引揚せらるる、気の毒の人々の持ち帰り金は一昨年度の物価の安い時と同一である。これを五倍又は拾倍に引上げる(親心)が有るべきであるが政府の処見を問う。
 又内地におりし時、内地において知人又は親戚に貸して行つた農地の全部又は八割は引揚者に返さすべきであるが、処見を問う。