質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第百十三号)昭和二十二年十一月七日配付

差益課税等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年十一月五日

小川 友三      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   差益課税等に関する質問主意書

一、公定価格の引上により小売店及製造業者及卸売店に対し差益税を課しておる政府の政策中に、小売店の場合、特に、前値で販売済みのものに対し後に課税され小売店は困却しておる、之の差益税は製造業者及卸売店のストツクのみに課税するが正当であり又小売店のストツクに対し課税するが正当であるが、政府の処見を問う。

二、失業者と称し又無職者と称しブローカー営業、特に主食物ブローカーにより勤労者の一千八百円収入の数倍、或は数十倍の利益を挙げておる者が幾百万人も居る、然かも無税である。政府は無職者に一ケ月弐百円前後の課税すべきである。病弱者、純失業者は別であるが、毎日、外出し何人が見てもブローカーたる人には必らず之の種課税の必要があると信ずるが如何。之の無職者はブローカーと称する有職者である、一人一ケ年二千四百円の税収は二百万人と見て四十八億円の税収となるが政府の課税有無の処見を問うものである。之の金額の半額を勤労所得税の減額に歳出し、之の半額を治水、治山、事業に使用すべきであると信ずるが御処見を問う。
実際主食ブローカーの収入は海岸地区より塩五升四百円前後にて求め、米産地にて平均米一斗と取かえており、之の闇売、二千円で之の差、一千六百円也、一ケ月十五回で二万四千円の収入、汽車賃雑費、四千円也、正味収益一ケ月二万円の人々は全国に、二百万人前後居り之の人々が、失業者、(無職者)と称し天下の総理大臣以上の収入があるのである。政府は片山首相の聡明を中心に本質問により無職者課税を断行すべきである。然からば、闇商人ブローカーの減少となり政界及経済界、闇界も安定し一石三鳥五鳥の特長あるものと信ずる。

三、政府の政策に甲、乙がある。警察官には靴を配給しておるが鉄道従業員には数十年来一足の靴も配給しておらない。目下鉄道員は下駄の様な靴の様な足袋の様な変型のものを大部分使用し、泣いておるが、片山首相の高度民主化政治で一回ぐらい歴史的に靴を配給してはどうか、逓信省官吏も然りである。仕事をするにさしつかえの無い様にする善政を取るべきであるが如何。山犬、山猫争議を大臣が無くするにはすぐ足下の問題たる靴の配給にある。親心の慈悲こそ政治の基本原理であるが政府の処見を問う。