質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第百六号)昭和二十二年十月二十九日配付

麦類生産計画に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年十月二十五日

池田 恒雄      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   麦類生産計画に関する質問主意書

第一、昭和二十三年度産麦類の生産計画数量について、

(1) 大麦、小麦、裸麦、ビール麦、その他飼料用麦等の生産計画数量。
(2) 各種類別の生産計画数量はどのような関係にて按分されたか。
(3) 来年度麦類の生産計画と来年度の麦類の需給計画と食糧需給計画との関係。

第二、麦畑の作付計画はどのような方法で行われているか。

(1) 麦類の作付計画反別は地方別にどのように按分されているか。
(2) 各種類の麦類は地方別にどのように分布されているか。
(3) 普通畑、桑園、果樹園の間作、水田の裏作等の三つに分けてみた場合、それぞれ麦の作付に利用される反別とその割合はどうか。
 そしてそれぞれの耕地の型類と麦の種類との関係はどう按配されているか。
 更に麦類の増産又は生産の維持のため特に耕地が活用され、又は開発されているか。
(4) 麦類と競合関係にある作物は地方的にどのようなものか、そしてその調整はどのように行われているか。
(5) 作付の割当に当つてそれぞれの立地条件との関係についてどのような按配をしたか。
(6) 農家に割当ての場合、その農家経営に対してどのような経営上の又は技術上の指導を加えているか。

第三、

(1) 麦蒔は東北、北海道にては完了、関東、中部は天候等により稍々遅れているが開始といつた進行であり、且つ末端に作付反別の割当が指図されているが肥料の配給は未だ見られていない。
 元肥未着のため蒔付の装着が遅延している向もある。これはどうしたことか。
 更にどれほどの肥料、どんな肥料が何時配給になるかというプログラムが示されないために殆ど栽培の設計を構図することが不可能で、あたりばつたり的に生産を進めているようである。この事態に対して農家の生産計画の指針となるべき政府の準備と計画を明示されたい。
(2) この秋の米の供出割当は米価の決定に先行した、こういうことはどういう理論からしても困つたことである。
 作付に際してすでに相場というものは目論見がたつていなければならない。この目論見のない生産に農業が戦争のごとく盲目的に動員されるなどということも敗戦後の理論では納得できない。
 農業も亦経営によつて生産されているのであるから、この際農業経営はその生産する来年度の麦類の相場をどの程度に踏んで操業すべきか、経営上の指針を明示せられたい。