質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第百一号)昭和二十二年十月二十三日配付

治安及び社会事業等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年十月二十一日

小川 友三      



       参議院議長 松平 恒雄 殿



   治安及び社会事業等に関する質問主意書

一、農民は、目下麦作りの農事に畑に出ておる、乞食が全国的に何十万人と農村に侵入し、恐喝する乞食又は、空巣泥棒に変化する乞食にて、全国農民は、困却しておる。買出部隊の五〇%は、之の式のものに変化して、豊作の妨害と治安を害しておるが、政府は、買出を禁止すべきであるが処見如何。乞食を禁止すべきであるが処見如何。

二、社会事業基金募集目標は、六億万円見透し有る由、日本赤十字社は、二五%の募集歩合を取り、他の団体も六%以上の由、神聖的寄付を横取り的に取る之れ等行為は、貧困者を喰う行為に近い。政府は、二%ぐらいにて取扱う様すべきであるが処見を問う。

三、政府は、チブス、赤痢、コレラ等のワクチンを今夏季に民間会社より納入せしめ、何百万人の国民を救つた。その代金を十月廿日の今日に至るも二千万円を支払つておらない。ワクチン製造業者は、製産費以下で納入し、代金は、厚生省より今だに支払いがつかない由、民間事業は弱い者いじめで困つておる。政府の運営する鉄道にしても現金売の切符であり、たばこも、現金売りである。最高技術を要する、ワクチン、血清の製造業技術者に、数ケ月後も、代金不払は、非文明的行為であるが政府の処見を問う。

四、製薬瓶の(公)の六百三十三倍と言う、世界レコードに対し、二五〇瓦入薬の空瓶は、昭和十二年は、二銭八厘であつた、今回(公)十七円七十三銭に変つた。正に六百三十三倍である。製薬品は値上げを許可せず、瓶はドシドシ値上(公)の突出で製薬界は苦しんでいる。ワクチン血清の瓶アンプルも、昭和十二年は一本二銭、現在は一本一CC入七円十五銭正に三百五十八倍である。安本の六十五倍で止めてもらいたいが安本のそれと天地雲泥の之の差は、日本経済の一年二年後はどうなるか。処見を問う。

  右質問に対し答弁を要求する。