第1回国会(特別会)
(質問第八十五号)昭和二十二年十月九日配付 満洲開拓移住民に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和二十二年十月八日 池田 恒雄 参議院議長 松平 恒雄 殿満洲開拓移住民に関する質問主意書 第一、 旧満洲国成立以来、その農業の開発と、日本農村の経済更生施策と相並んで、いわゆる分村運動、満蒙開拓青少年義勇軍の訓練等によつて農村又はその他より満洲に対して開拓移住民を積極的に送出移住させていたのであつたが、これらの開拓移住民について左記の諸点を詳らかにされたい。 (1) 戦前戦時を通じて送出したる移住民の年次別員数 (2) 開拓移住民の送出当時の職業と年齢 (3) 開拓移住民の入植状況と農業の経営並に生活の状態 (4) 青少年義勇軍の現地に於ける状態 (5) 終戦当時に於ける開拓民の状況 (6) 終戦後現地に於ける青少年義勇軍の状態 (7) 終戦に際して青少年義勇軍に対して政府のとりたる措置 (8) 開拓民及び青少年義勇軍の引揚について施したる政府の措置 (9) 開拓民及び青少年義勇軍の引揚の状況 (10) 開拓民及び青少年義勇軍の内地引揚に際しての救急援護並に引揚後の帰農、前職復帰その他引揚者の経済更生について政府のとりつつある施策 第二、 終戦当時まで、満洲移住協会及び満蒙開拓青少年義勇軍、満蒙開拓幹部訓練所国民高等学校等いわゆる内原訓練所、各都道府県の農民道場、農兵隊等について左記の点を詳らかにされたい。 (1) 右の施設内容はどのようなものであり、これに対し、当時政府はどのような指導援助を与えていたか。 (2) そして政府は終戦に当つて右の施設並に人事についてどのような措置をとつたか。 (3) 政府は右の諸機関が有していた土地、建物、設備等の財産をどのように処分したか。 (4) 政府は右の諸機関の中にあつて意識的に活動した主要なる役職員に対してどのような処置をとつたか。 第三、 いわゆる内原訓練所、移住協会、更にその糸をひく農民道場、農兵隊等は単に農業移民の教育、農業技術の教育の軌道を超えて、農本主義的国家主義を基調とし分村運動、青少年訓練動員、農村中堅指導者の錬成動員等によつて、農民殊に中堅的壮青少年に対し極端なる極東侵略思想の培養に努め、軍国主義的害悪を農村に侵透せしめた。 この農村における民主主義発達の病床となる内原的害悪の清算のため、農民殊に壮青少年の農業教育、政治教育について政府はどのような対策をとりつつあるか。 |