質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第六十九号) 昭和二十二年九月二十七日配付

林業用苗甫に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年九月二十五日

平沼 弥太郎      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   林業用苗甫に関する質問主意書

陛下 には頻々として起る大水禍に深く御軫念あらせられ、特に治山、治水に対し専門家も及ばざる御注意を賜つた由、内務大臣よりの報告に接し実に恐懼した次第である。
 今回の水魔は永年に渡り当局並に議会が治山、治水を軽視したる天誅にして無辜の国民を苦しめたる罪は万死に価するものがある。就ては治山、治水の一助として左記諸点に対し質問する。

一、林業用苗木は民間に於て六億本を養成すべき当局の計画にして、之に要する苗甫は五千余町歩である。
 然るに仄聞する処によると当局間に於ては食糧其他の関係上之に必要なる苗甫確保には難点がある様でかくては又々計画だおれに終る事なきやと憂るものである。
 依つて山林緑化の根本をなす苗甫を確保する為め此の際次の二案の内何れかを是非共実現せられたい。
第一案 林業用苗木の産地に対し必要なる苗甫の反別割当をする。
第二案 林業用苗甫を農地調整法及自作農創設特別措置法による農地より切りはなし林業用苗甫を確立する。
 尚開墾地は苗甫には不適当にして多くを是にたよる事は無謀である。

二、林業用種苗法の大改正をなし林業用種子、林業用苗甫及肥料等の確保に法的裏付をなす事が緊要である。

三、林業用苗木が林産物より除外されて居る事は林業政策上不便であり且つ不自然である。
 依て之を林産物に指定するのが当然であると思う。

四、苗木の養生は想像以上に肥料を必要とする。
 依て苗甫に対し反当り最底硫安十五貫過燐酸五貫を確実に配給する必要がある。

  右の質問に対し文書に依て答弁をせられたい。