質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第四十五号)昭和二十二年八月二十三日配付

運輸計画其の他に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年八月二十一日

小川 友三      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   運輸計画其の他に関する質問主意書

一、政府は本州と北海道間の海底トンネル、新設計画を立てつつあるが、之れに要する鉄材、資材等幾百億円を要する大計画を中止し之の巨費を戦争犠牲者たる引揚同胞や戦災者の住宅が四百万戸も不足せる今日、先きに実行すべきではないか、住、食、衣の内、住に困難せる二千万人前後の国民を救うべき大計画なきをかなしむものである、政府の処見を問ふ。

二、農産物増産に必要欠くべからざる燐鉱石の産地たる、アンガウル島の燐鉱石の採取をマツカーサー司令官より許可されておるが、之れは日本国営か、民間会社の経営か、ポロメイ会社より引き継の作業と思うが、この契約期間及び其の契約金額と年産量を政府は国会において発表すべきであるが今日に至るも発表がない政府の処見を問う。

三、四面が海にて塩の製造に絶対有利なる日本が外国より塩を輸入するは愚かなる政策である、国策を確立して製塩業に特別の施設をなし、国内消費に一〇〇%の製塩すべきであるが政府の処見を問う。

四、敗戦日本の住宅難は四百万戸に及ぶ、之れに要する資金を住宅金融金庫による等政府は積極的なる政策を樹立すべきであるが政府の処見を問う。

五、平和条約が近い内に締結されるが日本の演劇を世界的水準に上げる為、国立劇場の必要ありと信ずるが如何、観光外客を引く為に国立大劇場の必要がある、外貨獲得の上に最も必要であるが文化国家日本の為に今より政府は用意すべきであると信ずる、政府の処見を問う。

六、七千数百万国民が本年八月よりの二倍近くの理髪料値上げに対し非常なる迷惑を致しておる、クレヂツト成立と主食の安全により物価低落の今日値上げに反対するものである、政府の処見を問う。

  右質問する。