質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第五号)昭和二十二年七月七日配付

学制改革並びに教員優遇に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年七月四日

三好 始      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   学制改革並びに教員優遇に関する質問主意書

 既に発足した学制改革は未だその全貌が明らかでないため、各方面に混乱と支障を生じているので、特に左の諸点につき政府の計画を明らかにしていただきたい。

一、六・三・三制に於ける高等学校の性格と経営方法。特に
1.フルタイムとパートタイムの各高等学校の設立並びに経営上の相異点。
2.パートタイムの高等学校の内容を充実し、有名無実に終らしめないための具体的計画。

二、教員養成機関を如何にするかについての具体的計画。
現在この点が不明確なため、各府県各様の計画が進められている状態である。特に師範学校、青年師範学校が如何に変改されるかについての計画を明らかにしていただきたい。

三、大学の形態とその設立認可基準。

 次に、教育の成否を支配する最大の要素は教育者にあると確信するが、教育者をして、教育者たらしめる如き環境条件を整える責任は政府が負わねばならない。そこで特に左記二点につき政府の所信をお尋ねする。
一、教員の俸給は賃銀体系の一環として決定されるものと思われるが、教育の仕事は一般労務と異り、教員自身の絶えざる研究による自己向上を俟つて達成されるものと考えられる。従つて一般俸給の外に研究費を支給すべきである。一般賃銀に止るならば、教員は自己負担の犠牲においてのみ教員としての使命が遂行され、かゝる負担能力なき者は教育者的生活の在り方が困難と思うが如何。
二、右と同様の趣旨から、教員は研究のための時間的余裕が必要と考えられるが、特に専門的知識技能を向上する為、詮衡により、一定期間の内地留学等の方法による実力養成の道を開く意思があるかどうか。

  右文書により御回答相成りたい。