請願

 

第221回国会 請願の要旨

新件番号 1492 件名 災害からの復興、国民の安全・安心の実現への建設産業の再生に関する請願
要旨  相次ぐ大地震や豪雨により全国各地で甚大な被害が発生している。東日本大震災では、福島原発事故で避難した人たちは住み慣れた地に戻るめどすら立っていない。能登半島地震の被災地では、地域の建設業と技能労働者の減少により復旧作業に携わる人手が不足し、今でも損壊した家屋などは手付かずの状態で残され今後の生活の見通しがつかない状況である。こうした被災地域の真の復旧・復興のためには一層の支援が必要である。地震や豪雨、インフラ事故の発生による被害の拡大や復旧・復興の遅れの現状から、災害や事故への備えや行政など公的機関の危機管理体制の脆弱(ぜいじゃく)さが浮き彫りになった。このことは、防災・減災のための公共インフラ整備と既存施設の適切な維持管理が不可欠であることを示している。埼玉県八潮市では下水道管破損による道路陥没が起き大きな影響が発生した。大規模な道路の陥没を招けば住民生活や流通への影響は計り知れない。年を追うごとに事故のリスクが高まる道路や橋・トンネル・下水道など公共インフラの老朽化対策は待ったなしである。防災や施設の適切な維持管理のためには、その最前線に立つ建設産業をその担い手にふさわしく再生しなければならない。現場の担い手確保に向けた対策を強化することが急務である中で、いわゆる第三次・担い手三法が改正された。建設産業がその重要な役割を将来にわたって果たし続けられるようにするために速やかな施策の実行が求められる。盛土規制法(二〇二三年施行)の運用が二〇二五年度から始まり、建設発生土の処理については国が管理するストックヤード運営事業者登録制度の利用が進んでいるが、悪質な残土処分業者が悪用し、違法改造ダンプを用いてヤードからの再搬出によって不法投棄及び違法盛土が関東近県で形成され、現在も土砂災害の発生や環境汚染など地域住民の命と生活を脅かしており、二〇二一年に発生した静岡県熱海市の土石流災害(二十八人犠牲)が繰り返されつつある。全ての建設工事で各受注者が建設発生土の処理について、最終処分までの管理と適正な処理費用の支払を徹底する法制度の整備が強く求められている。国民の安全・安心の願いに応える公共事業を実現するために、公共事業を防災・生活関連・環境保全優先に転換すること、公正な賃金・労働条件と業者の適正な収入・仕事を確保することなどの施策の実行により、地域社会を支える建設業並びに建設産業の再生を図ることを強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、災害からの復興を最優先とし公共事業を防災・生活関連・環境保全優先に転換すること。
 1 自然災害から国民の命と暮らしを守り、防災や施設の適切な維持管理の最前線に立つ、地域建設業を持続可能なものとし、安定的・持続的な公共事業を推進するために、中長期的な見通しの下で、計画的な対策と必要な予算を確保すること。
 2 地震や河川の氾濫、土石流など、災害からの復旧・復興を最優先で行うこと。
 3 公共事業を防災・生活関連・環境保全の事業優先に転換すること。
 4 公共工事の監督・検査、公共施設の維持・管理は国と自治体が責任を持って行うこと。
 5 地域建設業育成や建設労働者保護を実施し、国民の安全・安心を守り、行政機関としての責任を果たすため、公共事業発注官公庁及び独立行政法人などの体制を強化すること。
 6 災害復興及び公共事業の計画策定に当たっては、過程の情報公開、住民参加システムの確立、年次ごとの再検討を原則とすること。
 7 建設発生土は、発生者(発注者及び元請)責任を明確にするなどの法制度の改正・整備の措置を国として講じること。また、各ストックヤード運営事業者における各ヤードへ搬入・再搬出するダンプの「過積載及び違法改造」を厳重に取り締まり、防止すること。
二、公正な賃金・労働条件と中小業者の適正な収入・仕事を確保すること。
 1 建設産業の元請・下請関係における片務性を是正し、労務費ダンピングなどを調査し、指導・監督を行う行政などの公的機関の大幅増員など、下請及び資材業者の適正な利益が確保される仕組みをつくること。
 2 地域の安全・安心を支える中小建設業者の経営安定と建設労働者の雇用を確保できる持続的な施策を実行すること。

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