| 新件番号 | 973 | 件名 | 再審法の改正に関する請願 |
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| 要旨 | 現在、我が国の刑事司法に関わる改革の課題はあらゆる方面から検討され始めている。取調べに弁護人の立会いは認められず、取調べの可視化も一部事件にとどまっている。また、罪を認めなければ延々と続く身柄拘束(人質司法)なども問題になっている。一部は既に改善に向かっているものもあるが、今日に至るまで放置され続けてきた大きな課題が再審制度の改革である。一旦有罪や死刑として確定した事件が再審理され、逆転無罪となった事例が最近多く出てきたこともこれと大きく関係している。一昨年の袴田事件、昨年の福井中学生殺害事件が再審無罪となったが、それらは氷山の一角にすぎない。現在の刑事訴訟法の再審条項は余りにも欠陥が多く、無実を証明するためには気の遠くなるような時間と労力を必要とするからである。再審請求の途上で、やり直しの裁判が認められる前に請求人が死亡したケースも狭山事件ほか多数(日野町事件、名張事件など)ある。したがって、司法改革全体を望みつつも、まず無実の人のぬれぎぬを一日も早く晴らし命を救い出すことを第一の目標として、二〇二五年六月に再審法改正案(刑事訴訟法の一部を改正する法律案)が提出されたことを重視し、その内容に則した法改正を進めることを求める。 ついては、次の事項について実現を図られたい。 一、再審においては、再審請求人などが希望する全ての証拠の開示を可能にすること。 裁判において十分な証拠調べが行われないことが、誤った判決を生む最大の要因である。冤罪(えんざい)を克服するためには、かつて裁判で使用された古い証拠のみならず、警察や検察の手のうちに隠された証拠も全て開示しなければならない。これは、三審制の下では見逃された事実や証拠を明らかにし、冤罪被害者を迅速に救済する再審制度を確立し直すため絶対に不可欠なことである。 二、再審開始決定に関する検察の不服申立てを禁止すること。 やり直しの裁判(再審公判)では、過去の有罪判決に誤りがなかったかどうかを、改めて検証し直すことができる。ところが、現在の法律では、再審を開始する裁判所の決定に検察側が抗告し、再審の開始それ自体を取り消すことができる。証拠隠しなど誤った裁判を生じさせた責任が検察にあった場合でも、その見直しを当の検察自体が妨害し、裁判をやり直す機会を奪うことを認めている。海外では多くの国で検察官の上訴の禁止が進んでいる。再審請求手続を無用に長引かせ、無実の人を苦しめ続ける検察の不服申立てを禁止すべきである。 三、再審手続全般を整備すること。 今の刑事訴訟法のうち、再審に関する規定は、膨大な数の条文の中で僅か十九条にすぎず、必要な条項が整備されていない。再審請求手続については上記の二点を法制化し、開廷期日を設定することや、証人尋問などの重要な手続を公開の法廷で行うことを明文化することが必要である。さらに、刑事訴訟法全体を広い視野で見直し、再審請求人に公正で十分な手続を保障する必要もある。 | ||