請願

 

第221回国会 請願の要旨

新件番号 690 件名 設置基準をいかし特別支援学校の教室不足解消を求めることに関する請願
要旨  全国的に特別支援学校の児童生徒の増加が進み、二十年間で児童生徒が五万六千三百四十四人増で約一・六倍になったのに対して、学校数が百九十二校増で約一・二倍にとどまっており、極めて不十分である。二〇二二年度の公立特別支援学校教室不足調査(文部科学省)では、全国の特別支援学校で不足している教室が三千三百五十九教室となっている。また、普通教室を確保するために、一つの教室をカーテンやつい立てで仕切って二教室として使ったり、調理室や音楽室などの特別教室を普通教室に転用している所が七千四百七十六か所にも上るなど深刻な事態が明らかになった。仕切った教室はとても狭い上に、隣のクラスの授業の声や音が筒抜けで落ち着いた授業にならない。特別支援学校の子供たちは、長年にわたって劣悪な教育環境の下で様々な我慢を強いられている。二〇二一年九月に特別支援学校設置基準が制定された。この設置基準制定の趣旨には、特別支援学校の教育環境を改善すると記されており、国や自治体には特別支援学校の劣悪な教育条件を改善する責務がある。しかし、設置基準が制定された下でも既存校適用開始が明記されず、既存校への基準適用は努力義務(設置基準の附則2「当分の間、なお従前の例によることができる」の部分)となっていて、教育条件の悪化に歯止めが掛かっていない。さらに、設置基準を満たさない新設計画が浮上してきている。その背景には、二〇二九年までの集中取組期間においても特別支援学校の新築又は増築する際の国庫補助率が二分の一のままであり、引上げが行われていない現状がある。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、制定された「特別支援学校設置基準」をより実効性あるものとするために、以下の内容を規定した「設置基準」になるよう早急に見直しを図ること。
 1 既存校の基準適用を「努力義務」にせず、設置基準への適用期限を明記すること。
 2 在籍する児童・生徒数の上限を一校につき百五十人以下とすること。
 3 通学時間の上限について、家庭から学校までを一時間以内と規定すること。
 4 教諭などの数は、一学級につき二名以上とし、児童・生徒の指導に当たるものとすること。
 5 障害種ごとに必要な特別教室の種類や数を明記すること。普通教室は一教室当たりの面積を六十平方メートル以上とすること。
 6 運動場面積基準は、小・中学校、高校の面積基準に準じること。中庭などを合算しないこと。
二、設置基準制定の目的である、特別支援学校の教室不足解消と教育環境の改善を直ちに実現するための学校新設が進むよう、以下のことを行うこと。
 1 特別支援学校を新築する際の国庫補助率を三分の二に引き上げること。
 2 学校設置基準の最低基準を充足しない施設設備は、教育上の支障が生じることから、基準を充足した新校が設置されるよう、国として自治体の環境整備を支援すること。

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