| 新件番号 | 630 | 件名 | 全ての私立学校に正規の養護教諭を配置し、子供の命と健康を守るための教育条件を求めることに関する請願 |
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| 要旨 | 文部科学省の集計によると、二〇二三年度の不登校数は高校生六万八千七百七十人、小学生十三万三百七十人、中学生二十一万六千百十二人、小中高におけるいじめの認知件数は約七十三万件、二〇二五年の自殺した児童・生徒は五百三十二人で、統計のある一九八〇年以後最多である。日本の子供は過度な競争にさらされ心身に悪影響を及ぼしていると国連子どもの権利委員会に指摘されている。二〇一九年二月の国連子どもの権利委員会の総括所見では、取り分け緊急措置を採るべき分野として、差別の禁止、子供の意見の尊重、体罰、家庭環境を奪われた子供、リプロダクティブヘルス及び精神保健、少年司法に関する課題を挙げている。養護教諭は、日常的な教育活動の中で子供の様子から気付いたSOSのサインを担任・学年など学校内や家庭、福祉・医療機関と連携して支援を行っている。養護教諭は、学校保健の中核を担う専門職として子供たちの健康実態とその背景にも目を向け、学校内外で連携しながら子供と家庭に継続的に関わる教育職である。駆け込み寺としての保健室で子供に対応する命を守るゲートキーパーの役割はもちろん、学校全体の子供の実態に向き合い、日常的に学校内外での連携の中核を担う役割を果たしているのが養護教諭である。現代の子供の心身の実態は、アナフィラキシーなど重篤なアレルギー症状、偏頭痛、起立性調節障害(OD)などの健康問題に加え、近年はICT化による負の側面が目立つ。子供が児童ポルノなどの犯罪の被害者・加害者になるケース、ネット依存症や市販薬によるオーバードーズ(薬物乱用)、自殺企図や闇バイトの被害も急増している。もはや子供の命は危機的な状況と言え、学校や家庭だけでは対応が困難で医療・福祉などの関係機関との連携支援が必要である。スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)が配置されたとしても日常で継続的に関わることができるのは養護教諭であり、子供の実態は私立学校も公立学校と変わらない。一方で、私立学校では経営状態や設置者(理事会)の考えにより、教育条件・教職員の配置・労働条件に大きな差がある。公立学校では養護教諭の配置は標準定数法により小学校八百五十一人、中学校・高校八百一人以上の学校に複数配置する基準があるが、私立学校には明確な基準がない。また、令和八年度の文部科学省予算の概算要求では、小中学校複数配置基準の生徒数百人引下げで改善が見込まれているが、私立学校の教職員の雇用は不安定な状態で、養護教諭の配置・学校保健体制・特別支援教育体制も公立学校に比べて大きく立ち遅れている。戦後、学校教育法により養護訓導から養護教諭に位置付けられ七十年以上経た現在も、私立学校ではいまだに教育職としての養護教諭が配置されていない、非正規雇用や一人で中高兼務などの現状が多くある。子供の命と健康を守るため、全ての私立学校の養護教諭の正規での配置と学校保健体制・特別支援教育体制の構築は喫緊の課題である。 ついては、次の事項について実現を図られたい。 一、全ての私立学校(幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・単位制通信制・高等専修学校など)に養護教諭を早急に配置すること。 二、私立学校について養護教諭の配置に公立学校と同様の基準を設けること。 三、学校教育法附則第七条(小学校、中学校及び中等教育学校には、第三十七条、第四十九条、第六十九条の規定にかかわらず、当分の間、養護教諭を置かないことができる)を削除すること。 四、公立学校と同様に、業務多忙時の養護教諭の人員を予算化すること。 | ||