| 新件番号 | 322 | 件名 | 福祉職員の賃金水準を速やかに全産業平均に引き上げ、職員を増やすことに関する請願 |
|---|---|---|---|
| 要旨 | 多くの福祉職場で職員不足が深刻化している。子供たちや高齢者、障害者、その家族、地域住民の人権を保障する職員からは、元々収入が少ない中、物価が上がり続けて生活が苦しい、低い賃金と厳しい労働環境で求人を出しても応募がなく、長時間・過密労働が広がる悪循環になっているなどの声が上がっている。保育士や介護職員の賃金は、国の賃金構造基本統計調査でも全産業平均より年収で百二十万円以上も低く、社会的な賃上げが進む中で再び格差が広がってきている。国は処遇改善策を進めているが、その格差を解消する見通しは全く立っていない。保育園などの職員の賃金は人事院勧告の引上げに伴って増えるが、介護・障害福祉分野は報酬改定が三年に一度となっており、賃金や物価の動向などを踏まえない制度になっている。このため、社会的に低い賃金の保育士よりも介護職員の賃金は年収換算で更に約三十万円低くなっている。二〇二二年に介護職員の離職者数が入職者数を初めて上回ったなどの深刻な事態と現場の切実な声を受けて、二〇二五年六月に閣議決定された骨太の方針では、介護・障害福祉分野の職員の他職種と遜色のない処遇改善が掲げられた。保育分野なども含めて賃金水準を全産業平均に速やかに引き上げ、更に専門性に見合う水準に向上させていくべきである。賃金が低く募集をしても応募がない中、少ない職員数のままでは一人一人の人権を保障することが困難になっている。保育園などの子供に対する保育士の配置基準は引き上げられたものの改善の規模が僅かなため、正規雇用の保育士を増やすことすらままならない。不規則な勤務を重ねる中、体制はぎりぎりで休憩や休暇が取りづらく、記録や計画などの事務仕事も時間内にできない実態が共通してある。長時間労働が前提になるため、福祉職員が家事や子育て・介護をしながら働き続けられる労働条件になっていない。このような状況を踏まえて、仕事への誇りと生活の見通しを持てる賃金・労働条件を国として保障することが必要である。 ついては、憲法第二十五条に基づいて国の責任で国民の権利を保障するため、次の事項について実現を図られたい。 一、全ての福祉職員の賃金水準を速やかに全産業平均まで引き上げ、仕事への誇りと生活の見通しを持って働き続けられるようにすること。 二、利用者処遇の向上と、福祉職員の休憩・休暇・事務時間を保障するために、職員配置基準を引き上げて、常勤職員を増やせるようにすること。 | ||