請願

 

第219回国会 請願の要旨

新件番号 528 件名 食料の安定供給と自給率向上に関する請願
要旨  二〇二四年の夏以来、主食である米がスーパーの店頭などから姿を消すという事態が長期化し国民の間に食料の安定供給への不安が広がっている。政府は、米不足の責任を農家や農協などに転嫁する一方、高止まりしている米価を下落させるために、それまでの方針を大転換して備蓄米を五キロ二千円で放出した。しかし、米不足の根底には需要に見合った生産の名による減産の押し付け、担い手の急速な減少と高齢化、耕作放棄地の広がりなど生産基盤の深刻な脆弱(ぜいじゃく)化がある。政府が主食である米の需給と価格の安定への責任を放棄し、輸入に依存する食料政策で農家の経営を危機に追い込んできたことこそ問われなければならない。米作農家の所得は低く、このまま放置すればますます担い手は減り食料生産は今後も一層不安定になる。不安定な輸入に依存した食料政策を改め、今こそ国産食料の増産とそれを支える大多数の家族農業経営を支援する農政に転換するべきである。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、国民の主食である米の生産と供給に政府が責任を持つこと。
 1 減産の押し付けをやめ、ゆとりのある生産目標を立て、大胆な増産に乗り出すこと。
 2 十分な量の政府備蓄米を確保して不作などに備えること。
 3 生産者の減少を食い止めるため、「価格保障」や「所得補償」で家族農業経宮を支え、消費者には手頃な価格で米を供給すること。
二、良質な食料が安定的に供給され、かつ、国民一人一人がこれを入手できる環境を保障するため、輸入依存の食料政策を改め、食料自給率の向上を図ること。取り分け、改定「食料・農業・農村基本計画」に明記された自給率目標(カロリーベースで二〇三〇年に四五%)を必ず達成するための計画を直ちに具体化し、農政の重点に据えること。
三、農産物を貿易交渉の取引材料にしないこと。ミニマムアクセス(MA)米は即刻見直し、中止すること。
四、物価高騰で苦しむ人々を支えるため、「食料支援制度」を確立すること。
五、学校給食の無償化を速やかに全ての自治体で実施するよう支援すること。また、地元産の安全な農畜産物・食品を活用する施策を拡充・強化すること。

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