請願

 

第217回国会 請願の要旨

新件番号 1877 件名 国際基準の給付奨学金・無償教育の実現を求めることに関する請願
要旨  物価高騰と高学費の前に、日本の学生は働くか借金かの厳しい選択を迫られている。いわゆる百三万円の壁問題も、学生が学費と生活費のために本来の学業に専念できず、年間百万円以上稼がなければならないという異常な実態を明らかにしている。二〇二四年十月に行われた総選挙では、全ての主要政党が高等教育無償化を公約に掲げ、石破首相も自民党総裁選で国立大学・高専の無償化を公約した。しかし、東京大学など複数の国立大学が授業料を二〇%引き上げ、私立大学の学費値上げも続いている。施行五年目となる大学等修学支援金制度は支援対象を狭くしたため、毎年度の予算が五千億円台に対し実績額は三千億円前後と約六割にとどまっている。また、授業料後払い制度は在学中の負担を卒業後に付け替える新たなローンであり、高等教育無償化に逆行している。二〇一二年九月、日本政府は国際人権A規約第十三条第二項(権利としての無償教育)を全て批准し、幼稚園から大学院まで全ての教育段階において無償教育を実現すると国際公約した。あれから十二年経過したが、いまだに実現の道筋が見えない。教育への公財政支出は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均が対GDP比で四・一五%に対し、日本は二・九%と加盟国中最低レベルである(二〇二一年)。今こそ教育を受ける権利として、学費は無償・奨学金は給付にすることを強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、大学などの学費値上げをやめ、無償化する予算措置を採ること。
二、大学等修学支援制度は、大学院生も含め希望者全員が受けられる制度にすること。
三、授業料後払い制度は、高学費・高額ローン政策を温存させる制度であり中止すること。
四、教育予算をOECD加盟国平均水準に引き上げ、全ての段階の無償教育を実現させる具体的計画を作り立法化すること。

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