請願

 

第217回国会 請願の要旨

新件番号 1815 件名 国土交通行政を担う組織・体制の拡充と職員の確保に関する請願
要旨  国土交通省は、気象庁や観光庁などの外局を含め、国土の総合的かつ体系的な利用、開発と保全、社会資本整備、交通政策、気象業務、地理空間情報の推進を役割・機能とし、経済社会と国民生活に影響の大きい政策を担っており、その役割は極めて重要である。能登半島地震のような自然災害に対し、全国の地方整備局や北海道開発局では、緊急災害対策派遣隊(TEC―FORCE)を被災自治体や現場へ派遣して被害拡大の防止や被災地の早期復旧の支援活動を行い、気象庁では、自然災害から国民の生命・財産を守ることを始め、交通の安全の確保・産業の発展など公共の福祉の増進に寄与するため、二十四時間体制で自然現象の監視・予報や各種情報の適時・的確な発表を行っている。また、日常生活に欠かせない堤防・橋りょう・道路・港湾・空港などの公共インフラは老朽化の課題を抱えており、国の責任で適切な維持管理や補修を行わなければ国民が安心して生活を送ることができなくなるおそれがある。こうした防災・減災の取組を確実に進めるためには、国土交通行政の体制を更に拡充する必要がある。今、政府が観光立国の実現としてインバウンドや地方活性化に向けた政策を進める中で、国内外を結ぶ航空交通の著しい増加に対応する航空管制官などの体制は十分とは言い難く、羽田空港で発生した航空機衝突事故を二度と起こさないためにも体制拡充は急務である。また、行き過ぎた規制緩和によって交通運輸事業者間の過当競争を招いたほか、事業利益を優先し安全を軽視する事業者の新規参入が後を絶たない。さらに、大手自動車メーカーによる型式指定申請時の不正行為や鉄道車両における輪軸組立時の不正行為など、遵守すべき基準を守らない事業者に対する指導監督体制の強化が求められており、自家用車や公共交通機関の安全確保とともに、そこで働く労働者の処遇改善が喫緊の課題となっている。これらのことから、国民の交通権を保障し安全・保安体制を強化するためには、運輸行政の体制を拡充する必要がある。また、上記の国土交通行政を進めるため、それぞれの分野で専門的な知識・技量を持つ人材の育成を行う教育機関や国土交通行政を支える基礎研究を担う独立行政法人などが重要な役割を果たしており、その組織・体制と運営費交付金の拡充も必要である。以上のように、国民の安全・安心を守り、国民の要望に応え信頼される行政サービスを提供するために、国土交通行政を担う組織・体制の拡充と必要な職員の確保を強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国土交通行政(気象庁・観光庁など外局を含む)を担う組織・体制を拡充し、必要な職員を確保すること。
二、国土交通省が所管する独立行政法人の機能拡充のため、職員の確保を行うとともに運営費交付金を増額すること。

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