新件番号 | 1519 | 件名 | 胎児認知制度の脆弱性に起因する偽装認知及び不正な国籍取得の防止に関する請願 |
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要旨 | 現行の法制度においては、民法第七百八十三条第一項に基づき、生まれる前の子(胎児)についても父が認知することが可能とされている。しかしながら、血縁関係のない日本人男性が胎児を認知することにより、実質的に外国籍の子が日本国籍を取得する抜け道が制度上放置されていることは極めて重大な問題である(国籍法第二条第一号)。現行制度においては、胎児の認知に際して血縁関係を確認するDNA鑑定などは義務付けられておらず、認知届は市区町村において戸籍法に基づく形式的な審査のみによって受理されている。認知の真実性や合理性に疑問がある場合であっても、地方自治体には内容を実質的に審査・拒否する権限がなく、提出書類が整っている限り届出を受理せざるを得ない制度設計となっている。さらに、認知は一度成立すると取り消すことはできず、たとえ偽装であることが後に判明しても是正措置を講じることは極めて困難である。このような制度の脆弱(ぜいじゃく)性は、日本の国籍制度及び戸籍行政の信頼性を根底から揺るがすものであり、国民の法的帰属をめぐる問題として再検討されるべきである。 ついては、胎児認知制度の抜本的な見直しを強く求め、次の事項について実現を図られたい。 一、胎児の認知に際し、DNA鑑定などによって血縁関係を客観的に証明する制度を導入すること。 二、認知届の受理に際し、市区町村が届出内容について実質的な審査を行うことが可能となるよう、法制度の整備を行うこと。 三、偽装認知が疑われる場合に、行政機関が自ら認知の無効確認の訴えを提起できる法的仕組みを整備すること。 |