請願

 

第216回国会 請願の要旨

新件番号 254 件名 国連の障害者権利委員会からの総括所見について、検討の場を設け、審議の開始を求めることに関する請願
要旨  国連の障害者権利委員会は、二〇二二年九月に日本の障害者の状況に関する初めての総括所見を採択した。これは、障害者権利条約の観点から日本の状況を審査し、その改善の方策を日本に示すものである。その内容は、障害者を意思と権利を持った主体として位置付け、行政やサービス提供者の決めた枠組みに押し込めるパターナリズムを廃止し、人権モデルに基づく法律や政策を求めている。そして、一生涯を通じて他者と分け隔てられることなく生きていける社会をつくり出す方向を示している。同時にその内容は、年齢、性別、性的指向、国籍などによる人権侵害を許さない立場に立っている。この総括所見を受け止め、障害者の状況・公的な政策を点検し、人権モデルに沿った改革を進めることを求める。それが、精神科病院や障害者施設で起こった悲惨な事態をなくし、地域での自立した生活の保障を実現していくことになり、全ての市民が生きやすい社会をつくることにつながる。しかし、このような重要な総括所見が発表から既に二年を経過した現在においても、公的な場における検討が行われていない。こうした状態は、障害者の切実な暮らし・国際的責務の遵守という観点からも重大な問題である。早急に検討の場を設け審議を開始することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国連の障害者権利委員会からの日本に対する総括所見について、障害者の状況と公的政策を点検し、人権モデルに沿った政策を検討する公的な場を設け、審議を開始すること。
二、この審議の場は、障害者権利条約第四条第三項の原則に基づき、障害者団体の代表が関わって、審議すること。内閣府の障害者政策委員会の委員から、知的障害者の代表、及び精神障害者の代表が外されているが、このような差別的状況を反省し、これらの団体の代表を加えること。

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