新件番号 | 115 | 件名 | アルプス(ALPS)処理水海洋放出を継続することに反対することに関する請願 |
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要旨 | 二〇二一年四月、政府は東京電力福島第一原発事故に伴うアルプス(ALPS:多核種除去設備)処理水の海洋放出を決定し、二〇二三年八月から実施している。海洋放出方針は、漁業者はもとより国民の反対や懸念がある中、関係者の理解なしにはいかなる処分も行わないという東京電力と地元漁業者の約束をほごにして決定されたものである。アルプス処理水は、原発事故を起こした原子炉から発生している放射能汚染水を処理したものであり、通常の原発から放出されているトリチウム水とは異なる。アルプス処理すればトリチウム以外は除去可能とされているが、実際には基準値を超えるトリチウム以外の核種の存在も指摘され、海洋環境への影響が懸念されている。安全性の担保、国民的理解、国際社会の理解醸成、風評被害対策について大きな課題として残ったままである。このまま海洋放出が続くことになれば、地域経済に大きな影響を及ぼし震災復興のために払われてきた十年以上の努力が水泡に帰す大きな懸念がある。豊かな海を次世代に引き継ぐためにも、今後数十年の長期間にわたる海洋放出は許されない。廃炉の完了と東日本大震災・原発事故からの復興への道は、長く先が見通せない状況にある。原発の廃炉、復興に向けての取組は、関係者、国民の理解と信頼の下に進めるべきである。 ついては、次の事項について実現を図られたい。 一、東京電力福島第一原子力発電所のトリチウムなどを含むアルプス処理水は海洋放出を続けず、関係者、国民の理解が得られる別の方法で処理すること。 |