請願

 

第216回国会 請願の要旨

新件番号 22 件名 学校現業職の民間委託を推進するような積算単価の見直しと学校現業職員の法的位置付けを求めることに関する請願
要旨  学校現業職員は、学校の施設・設備の安全を日々点検し、教育環境の整備を行い、心と体の健康を育む給食調理、食と農の教育を支える農場作業、障害のある子供を支える介助などの業務に携わっている。さらに、教員や様々な職種の職員と連携し、年間の行事にも配慮しながら教育活動を支える業務に取り組んでいる。二〇一一年三月、東日本大震災が発生したとき、被災地の学校では児童・生徒の安否確認はもとより地域の避難住民の世話などに教員・養護教諭・事務職員・現業職員などあらゆる職種の教職員が一丸となって全力を尽くした。学校は、子供や地域住民の安全・安心のよりどころとなっている。ところが、総務省が行ったトップランナー方式により学校用務員事務や給食業務の経費水準が段階的に引き下げられ、経費区分を従来の人件費から委託料などに振り替える見直しを行うなど民間委託化へ強く誘導する政策が取られ、各地で民間委託化が進行している。また、学校現業職員の法的位置付けが学校教育法などで「その他必要な職員を置くことができる」との規定にとどめられ、学校現業職員の任用替えや退職不補充により、正規から臨時・非常勤への置き換えが会計年度任用職員制度の影響もあり加速している。現在、学校を維持するため各自治体は学校現業職員を非正規にするか業務を民間委託するかという選択を迫られている。その結果、子供の貧困が深刻化する中で学校給食の意義が再認識されているにもかかわらず、外部委託された給食による様々な問題が各地で顕在化しており、子供たちにも影響を及ぼしている。学校現業職員の果たしている役割を鑑みれば、民間委託や非正規職員ではなく正規職員を配置することが望ましいのは明らかである。安全・安心な教育環境を整え、子供たちに行き届いた教育を保障するため、学校に正規の学校現業職員を必ず配置できるよう法制化することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、学校現業職員を学校教育法、義務・高校標準法などに明記し、正規職員として配置できるよう法制化すること。
二、当面、学校現業職を担う会計年度任用職員については、正規職員との待遇の均衡を図るよう地方自治体に指針を示すこと。
三、学校現業職の民間委託を推進するような積算単価を見直すこと。

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