請願

 

第214回国会 請願の要旨

新件番号 1 件名 保護観察対象者等の個人情報保護に関する請願
要旨  大津保護区に所属する保護司は、保護観察対象者の個人情報保護について大津保護観察所から再三にわたる指導を受けており、保護観察対象者の個人情報保護についての意識を高めている。しかし、大津保護観察所から送られてくる身上調査書や処遇上の参考事項調査票など、また、保護観察対象者の氏名・本籍・引受人・犯罪の概要・犯罪の動機及び原因・成育歴・教育歴・職業歴・犯罪歴や、さらには本人の個人情報のみならず家族の住所・氏名・年齢・職業まで記載された一覧表を含む書類が普通郵便で送られてくる事務の取扱いが続けられているため、多くの保護司が保護観察対象者の人権侵害が発生する可能性を懸念している。普通郵便による送付は、誤配や盗難などの危険性があるばかりでなく、郵便物が多いときには上記書類の封筒が郵便受けからはみ出していることがあったなどの声もあり、強風で吹き飛ばされるなどの事故が起こる可能性も否定できない。そのようなことがないように、保護観察官から大きな郵便受けの設置を求められているが、問題の解決方法として妥当ではない。保護司個人宅の郵便受けの取替えによって問題解決が図られる必要があるとなれば、喫緊の課題である保護司の適任者確保が今以上に難しくなることさえ懸念される。大津保護区に所属する保護司が自身の担当する保護観察対象者によって殺害されたと見られる事件があった。報道によれば、容疑者は保護観察に対する不満を持っていたとも伝えられているが、仮に保護観察対象者及びその家族の個人情報が本人の帰住する地域などで漏えいしたことにより社会復帰の道筋がついえたという事態を想定すると、保護観察に対する不満や憤りを感じた保護観察対象者が攻撃衝動を最も身近な保護司に向ける危険性もないとは言えない。令和六年七月二十二日付けで大津保護区保護司会会長が大津保護観察所長に提出した保護観察制度の改善を求める要望書にもあるように、保護観察対象者などの個人情報保護のために保護観察所の事務の取扱いを早急に是正することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、保護観察対象者の個人情報保護のため秘密にされるべき文書を保護観察所が保護司に送付する方法を、普通郵便から、より適切な方法(簡易書留など)に改めること。少なくとも、「身上調査書」及び「処遇上の参考事項調査票」の送付方法を改めること。

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