新件番号 | 2111 | 件名 | 国の制度として十八歳までの医療費窓口負担を無料にすることに関する請願 |
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要旨 | 新型コロナの影響によって、一人親世帯を始め多くの子育て世代の生活困窮や子供の貧困の深刻化が懸念されている。コロナ以前から問題となっていた少子化も更に拍車が掛かっている。しかし、国民生活の困難に対する政府の対策は不十分なままであり、影響が長期化している。子育ての大きな不安の一つに子供の病気がある。そもそも子供は病気にかかりやすく抵抗力が弱いため、重症化することも多くある。子供の病気の早期発見・早期治療を支え、全ての子供の健やかな成長を保障するために医療費の心配をなくすことはますます重要となっている。これまでの取組で自治体が実施する子ども医療費助成制度は、対象年齢を十八歳年度末までとする自治体が入院・通院とも六割を超えるなど大きく拡充されてきた。しかし、制度の内容を見ると、対象年齢、所得制限・一部負担の有無、現物給付と償還払い(現物給付は医療機関の窓口で負担なく医療が受けられる方式で、償還払いは医療機関の窓口で自己負担額を支払った上で自治体に申請し支払った医療費の還付を受ける方式である。)の違いなど、自治体間で大きな格差がある。一部負担はたとえ少額であっても、特に生活困窮世帯で受診の妨げになる。また、国は、小学生以上の医療費助成を現物給付で実施する自治体の国民健康保険について、国庫負担を減額するペナルティーを完全に廃止していない。そのため、現物給付で対象年齢をより広く実施している自治体ほど財政の負担が重くなり、ペナルティーを避けるために償還払いにしている自治体では受診抑制も発生している。どこに生まれ、どこに住んでも、全ての子供に必要な医療が保障されるべきである。そのためには、子ども医療費無料制度を国として創設することが求められている。全国知事会も国による制度の創設を要望している。また、成長期にある子供の病気の早期発見と早期治療、治療の継続を確保する上で、受診抑制が発生しない形での子ども医療費無料制度の実施が必要である。二〇一八年には、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進することを目的とした成育基本法が全会一致で成立した。国による子ども医療費無料制度の創設は、この法律を実効あるものにすることにもつながる。 ついては、次の事項について実現を図られたい。 一、十八歳年度末までを対象とする国の医療費窓口負担無料制度(入院時の食事負担を含む)を早期に創設すること。 二、子ども医療費助成を現物給付した自治体への国民健康保険(国保)国庫負担の減額措置(ペナルティー)を完全に廃止すること。 |